ABS樹脂は本当に危険?ガンプラABS塗装を徹底検証【ラッカー対応】

「ABSはラッカー塗装すると割れる」

ガンプラ塗装を始めると、一度は聞く話ですよね。

説明書にも「ABSへの塗装は破損の恐れがあります」と書かれていることが多く、初心者ほど不安になるポイントだと思います。

実際、

  • 関節が突然砕けた
  • スミ入れしたらヒビが入った
  • ガンダムマーカーで割れた

という経験談もかなり多いです。

ただ一方で、

「普通にラッカー塗装してるけど問題ない」

という人もいます。

では実際、ABSは本当に危険なのか?

結論から言うと、

「塗料そのもの」よりも、

“応力が掛かった状態で溶剤が浸透すること”

これがABS割れ最大の原因です。

この記事では、実際の実験結果をもとに、

この記事でわかること
  • なぜABSは割れるのか
  • どの溶剤が危険なのか
  • ラッカー塗装は本当にダメなのか
  • 安全に塗装する方法

を初心者向けにわかりやすく解説していきます。

ABS塗装が怖い方は、ぜひ最後まで読んでみてください。


ABS樹脂とは?ガンプラで使われる理由

ABSは丈夫で関節や可動部に向いている素材

ABSとは、

  1. アクリロニトリル
  2. ブタジエン
  3. スチレン

を混ぜた樹脂です。

特徴は、

  1. 硬い
  2. 強い
  3. 粘りがある
  4. 割れにくい

そのためガンプラでは、

  • 関節
  • フレーム
  • 可動部分

によく使われています。

特にPGや2000年代のHGなどキットでは定番素材ですね。


なぜABSは塗装で割れるのか

ここが重要です。

ABSは単純に、

「ラッカーを吹いたら即割れる」

わけではありません。

実際には、

  • 関節
  • スナップフィット
  • ボールジョイント

など、“力が掛かった部分”が危険です。

ここへ溶剤が浸透すると、樹脂の強度が下がり、耐えられなくなって割れます。

これがABS割れの正体です。


ABSが割れる本当の原因

原因は「応力」と「溶剤」

ABS割れで一番重要なのがこの組み合わせ。

応力(内部ストレス)+溶剤

です。

例えば関節。

関節は、軸が内側から押し広げることで保持力を作っています。

つまり常に力が掛かっている状態。

そこへラッカー溶剤が浸透すると、

  • 樹脂が弱る
  • 強度が低下
  • 応力に耐えられなくなる
  • 割れる

という流れになります。


ケミカルストレスクラックとは?

この現象は、

「ケミカルストレスクラック」

と呼ばれています。

簡単に言うと、

「力が掛かった樹脂に溶剤が入り込み、破壊される現象」

です。

ABSだけでなく、プラスチック全般で起きる現象ですね。


実験!どの溶剤でABSは割れる?

実際にHGUCズゴックの関節に使われているABSへ強い力を掛けた状態で、各種溶剤を塗布して検証してみました。

結果はこちら。

溶剤結果
ラッカー薄め液(GSIクレオス)割れる
プロユースシンナー(ガイアノーツ)割れる
ガンダムマーカー消しペン(GSIクレオス)割れる
ガンダムマーカー流し込みスミ入れペン(GSIクレオス)割れる
エナメル溶剤(タミヤ)比較的安全
水性ホビーカラー(GSIクレオス)比較的安全
ウェザリングカラー(GSIクレオス)較的安全

ラッカー系シンナーは危険

やはりラッカー系は強力でした。

特に、

  • 組付て溶剤を大量に付ける
  • 隙間へ流れ込む

この条件だと、一気に破断

静かにボロっと砕ける感じです。

かなり怖いです。


ガンダムマーカーも注意

ガンダムマーカーは初心者でも使いやすく、部分塗装やスミ入れに便利です。

しかし、ガンダムマーカーにはアルコール系や溶剤成分が含まれているため、

ABSに応力がかかった状態で塗るとラッカー同様割れてしまいます。

ガンダムマーカー=初心者向けで安全!ではないので注意しましょう。


エナメルは意外と平気だった

意外だったのがエナメル。

単純な塗布だけなら、かなり耐えました。

ただし、ABSとは別の素材、PS樹脂の応力がかかった場所での使用は割れるため理解が大事です。

ABS樹脂(組付け状態)PS樹脂(組付け状態)
エナメル塗料安全注意
ラッカー塗料注意安全

ABSをラッカーで安全に塗る方法

基本は「分解して塗る」

これが一番大事。

ABS塗装で最も安全なのは、

  • バラして塗る
  • 乾燥させる
  • 最後に組む

です。

これだけでもかなりリスクを減らせます。


ゆるく仮組みして塗る

「色味を揃えたい」時ですね。

ダボを少し削ったりカットして

  • 軽くはまる
  • 応力が少ない

状態にして塗装。

これもかなり有効です。

エアブラシが安全な理由

エアブラシは、

  • 霧が細かい
  • 一度に乗る溶剤量が少ない
  • 乾燥が早い

ので、かなり安全寄りです。

逆に危険なのは、

  • 筆塗り
  • スプレー缶

ですね。

厚吹きしやすいので危険度が高いです。


一気にベタ吹きしない

ABS塗装では、

「一気にツヤツヤにしよう」

が危険です。

まずは薄く。

1回目は砂吹き気味。

2回目以降でしっかり塗膜を作る。

これが安全です。


ABS塗装でやってはいけないこと

組んだまま流し込みスミ入れ

これは本当に危険。

特にガンダムマーカーすみ入れは、

  • ABS関節
  • 軸周辺
  • ハメ込み部分

へ流し込むと、一気に破損することがあります。


スプレー缶の厚吹き

スプレーは溶剤量が多いです。

「シューッと長時間吹く」

これは避けましょう。


ABSを塗装するときの実践テクニック

ダボ穴を少し緩くする

応力を減らす方法です。

  • ピン穴を少し広げる(ニッパーでカット)
  • キツさを減らす

これだけでもかなり変わります。


瞬間接着剤を使った合わせ目消し

ABS接着では、

「瞬間接着剤」での合わせ目消し

がかなり有効。

溶着系接着剤では接着できません。

なので、

  • ダボを緩くする
  • 瞬着で固定
  • ヤスリで整える

この流れが安全寄りです。


サーフェイサーは塗装可能?

ここはかなり意見が分かれます。

ただ、

「サフだから安全」

とは言い切れません。

サフもラッカー系だからです。

実際には、これまでの解説同様、

  • 応力を減らす
  • 厚吹きしない
  • 流し込まない

こういった段取りの方が重要です。


ABS塗装は怖がりすぎなくてOK

確かにABSは怖いです。

でも、

  • 分解して塗る
  • エアブラシで薄く塗る
  • 乾燥させる

この基本を守れば、かなり安全に塗装できます。

初心者はまず、

「組付けた状態で塗装をしない」

これだけでもかなり事故を減らせます。


まとめ

ABS割れの原因は、

  • 応力
  • 溶剤

この組み合わせです。

特に危険なのは、

  • 組んだ状態
  • 関節
  • 流し込み
  • 厚吹き

ですね。

逆に、

  • 分解塗装
  • エアブラシ
  • 薄吹き
  • 乾燥後組み立て

ならかなり安全寄りです。

ABSだから絶対塗れない、というわけではありません。

怖がりすぎず、正しい段取りで塗装していきましょう。


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA



reCaptcha の認証期間が終了しました。ページを再読み込みしてください。