ガンプラ全塗装における仮組の必要性|初心者が知っておくべきポイント

ガンプラ作りをさらに楽しみたいと思ったとき、多くの人が挑戦するのが 「全塗装」 です。成形色そのままでも十分に楽しめますが、塗装を加えることで完成度は一気にプロっぽくなります。
しかし、初心者の方にとって意外と見落としがちなのが 「仮組」 の重要性です。今回は、なぜガンプラの全塗装に仮組が必要なのか、その理由を解説していきます。

僕自身初めて全塗装するときに、仮組の必要性がまったく分かりませんでした。

仮組とは?

「仮組」とは、塗装前にパーツを一度すべて組み立ててみる作業のことです。付属のシールなどは使用をせず、あくまで「完成形の確認」を目的として行います。


この工程は初心者には一見手間がかかるだけに思えるかもしれませんが、実は全塗装を成功させるために行った方が良いステップなのです。

なぜ全塗装に仮組が必要なのか?

1. パーツの干渉を確認できる

塗装後に組み立てたとき、「思ったよりもパーツがきつくて塗装がはがれてしまった…」など可動・関節部分や擦れやすい箇所で塗装が剥がれるリスクがあります。

仮組をしておけば、どこが干渉するのかを事前に把握でき、ヤスリがけなどで調整できます。

2. 塗装の分割計画を立てやすい

ガンプラはパーツごとに色を塗り分けますが、塗装前に組んでみることで

  • 「どのパーツをまとめて塗装できるか」
  • 「この部分は色分けのマスキングが必要か」
  • 「この部分は隠れて見えなくなるから、塗装しなくても大丈夫だ」

といった、効率的な塗装プランを立てることができます。初心者がやりがちな失敗は、塗装を始めてから「ここ、塗りにくい!」「ここは塗分けした方が良かったな」と気付くことです。仮組によってその問題を回避できます。

3. 完成後のイメージを掴める

仮組をすると完成形が見えるので、色のイメージを考える参考になります。仮組をして全体像を確認することで「ここはメタリックにしよう」「ここはツヤ消しにしたい」と具体的なビジョンが固まります。初心者ほど「完成後の姿を思い描く」のが難しいため、仮組は非常に役立ちます。

仮組をしなかったことによる失敗例

組み立ての問題

  • パーツ同士の干渉やはめ込みの問題: 塗装後にパーツを組もうとしたら、塗膜の厚みのせいでうまくはまらなかったり、きつすぎたりして塗装がはがれてしまうことがあります。
  • パーツの紛失: 仮組みをせずにいきなり塗装に入ると、細かいパーツをなくしてしまうリスクが高まります。一度組んでおくことで細かなパーツの数と配置を把握して作業することができます。
  • 組み立て手順の確認不足: 複雑なキットの場合、どこをどう組むのかを把握できていないと、組み立て時に混乱してしまい、組み立ての順番を間違えてパーツを分解する際に、塗装したパーツに傷をつけたりすることがあります。

塗装の問題

  • 色分けの把握ミス: 塗装図や説明書をしっかり確認せず、パーツ単体で判断すると、本来は別パーツで色分けされていた部分を見落とし、塗り忘れてしまうことがあります。
  • パーツの合わせ目やゲート処理の見落とし: 仮組みをしないと、組み立てたときに合わせ目が目立つ場所や、ゲート跡が残る場所を事前に確認できません。塗装後に気づいても、再び分解して処理するのは手間がかかりますし、塗膜を傷つけることになります。
  • マスキング箇所の見落とし: 塗り分けが必要な箇所を把握せずに塗装すると、マスキングが必要な部分を見落とし、後から手直しする手間が増えてしまいます。

初心者におすすめの仮組方法

ガンプラの全塗装を成功させるために欠かせない「仮組み」。その重要性は理解できたけれど、実際にどうやってやればいいの?という疑問にお答えします。

ここからは、初心者の方でも安心して取り組める、仮組みの具体的な方法とコツを解説します。

仮組みを始める前に:パーツの「ダボ」を加工する

最近のガンプラは接着剤を使わずにパーツをはめ込める「スナップフィット」が主流です。しかし、このスナップフィットが強力なため、一度はめ込むと外すのが大変な場合があります。

そこで、仮組みの前に「ダボ」と呼ばれる突起部分を少しだけ加工しておきましょう。

ダボ加工のやり方

方法1:ダボの凸部分を斜めにカットする

パーツにある小さな突起(ダボ)を、ニッパーで少しだけ斜めに切り落とします。

これだけで、パーツ同士の噛み合わせが緩くなり、後でバラしやすくなります。

注意点: 切りすぎるとパーツがグラグラになってしまうので、少しずつ様子を見ながらカットしましょう。

方法2:ダボ穴に切り込みを入れる

ダボがはまる穴(ダボ穴)に、デザインナイフやニッパーの先端で縦に切り込みを入れます。

これもパーツのテンションを緩める効果があります。

注意点: パーツの強度に関わる部分もあるので、可動部分のダボには加工せず、目立たない箇所を選んで加工しましょう。

これらの加工をすることで、後でバラす作業が格段に楽になり、パーツを破損するリスクを減らせます。

実際の仮組みの手順とポイント

1. パーツを切り出す

説明書を見ながら、必要なパーツをランナー(枠)からニッパーで丁寧に切り出します。

この段階では、ゲート(パーツとランナーの接続部分)が少し残っていても大丈夫です。あとでヤスリがけをするので、無理にきれいに切り取ろうとせず、パーツを傷つけないことを最優先にしましょう。

ゲート処理の時間を大幅に短縮できる片刃ニッパーの記事もあるので参考にしてみてください。

2. 部位ごとに組み立てる

説明書通りに頭部、胸部、腕部、脚部、武器、バックパックなど、部位ごとに分けて仮組みを進めると効率的です。

全体を一気に組むのではなく、部分ごとに完成させていくイメージです。

3. 組み込みにくいパーツに注意

クリアパーツや、二重構造のバーニアの内部パーツなど、一度はめ込むと外れにくいパーツがあります。

こうしたパーツは、無理にはめ込まず、軽く乗せる程度にしておきましょう。分解時に無理に外そうとして破損するのを防げます。

4. 完成したら全体をチェック

仮組みが完了したら、ガンプラ全体を様々な角度から眺めてみましょう。

合わせ目、ヒケ、パーティングラインなどの気になる箇所がないか確認します。

関節を動かしてみて、パーツが干渉して塗装が剥がれそうな部分がないかもチェックします。

この段階で、塗装の配色やスジボリなどのディテールアップのアイデアを練るのもおすすめです。

仮組みを終えたら

仮組みで確認したことを元に、いよいよ本番の工作と塗装に入ります。

  • ゲート処理や合わせ目消し、ディテールアップなどの計画を立てる。
  • 塗装後に見えなくなる部分は、あえて塗装を省略するなどの計画を立てます。
  • 分解したパーツは、仕切り付きのケースに部位ごとに分けて保管しておくと、次の作業がスムーズに進みます。

仮組みは、あなたのガンプラがより美しく、そしてより完成度の高い作品に生まれ変わるための、最初の一歩です。この丁寧な準備が、きっと最高の完成品へとつながります。

合わせ目消しや、ディテールアップは手間のかかる作業です。近年のガンプラは合わせ目が少なくディテール、パーツ分割による色分けもしっかりしているので、「干渉による塗装剥がれ」「最低限のゲート処理」「色分けのイメージ」、この3つを意識して塗装をすることでかっこよく仕上げることができますよ!

まとめ

ガンプラの 全塗装 に挑戦する 初心者 ほど、仮組を面倒だと思いがちです。しかし実際には、塗装の剥がれや組み立てミスを防ぐ「保険」のような役割を果たしてくれます。「早く色を塗りたい!」という気持ちをグッとこらえて、まずは仮組みから始めてみませんか? きっと、想像以上の素晴らしい作品が完成しますよ。
せっかく全塗装に挑戦するなら、ぜひ仮組を取り入れて、完成度の高い仕上がりを目指してみてください。

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